シドニー飯。:フィッシュマーケットで美味い牡蠣や海鮮を食べるための極意!
※今回の記事は、ワーホリ・留学・出張などでオーストラリアのシドニーに滞在している、またはする予定のある方向けの記事となります……が、牡蠣トリビアや、グルメ紹介などもありますので、お時間があれば、ぜひご一読を!
そもそもなぜ、オーストラリアに行って牡蠣を食べるのか?
「うまいうまい!」とは耳にするものの、日本の牡蠣と比べて、ぶっちゃけどうなの?
フィッシュマーケットに着いたけど、せっかくだし牡蠣以外も楽しみたい!
そんなあなたのために、筆者が自らの経験とリサーチした情報をまとめあげました。
せっかくの海外、ただなんとなく有名な場所に行って、有名なものを食べて「ふ~ん・・・」で終わらせてしまうより、その背景や、より美味しく食べる方法も、ちゃんと知っておきませんか?
「フィッシュマーケットについてちゃんと予習して、しっかりシドニーの牡蠣を味わおう!」
そもそもフィッシュマーケットとは?
詳しく説明している旅行者向けのページや個人ブログは山ほどあるので、さっくりいきましょう。
オーストラリア・シドニーに位置する、世界2位の水揚げ高を誇る魚市場です。
以上!
……というのは寂しいので、写真とともに多少の解説を。
世界1位の水揚げ高は、日本・築地市場だったらしく、こちらを訪れたことのある型はイメージが掴みやすいかもしれませんね。
取れたての魚介類をそのまま売ったり、
刺身として売ってたり、
(お願いすると、その場でさばいてくれます! 醤油と割り箸もあるよ!)
こんな感じで、既に調理したものを売っていたり。
そのほかにも、お土産やら、魚介とは関係ない酒やアイスの専門店があったり、レストランが併設されてたり。
あとは・・・
運が良いと(?)、ペリカンが見れます。何しに来てるんだろう。餌探しかな。
なぜシドニーで牡蠣なのか ~NSWの牡蠣史~
ここではNSWの歴史とか産業とかそういう話をするので、
「うるせー! うめぇ牡蠣が食えりゃいいんじゃー!」
って方は、読み飛ばして大丈夫です。笑
そもそも、どうしてシドニーくんだりまで足を運んで、わざわざ牡蠣なのか?
海に囲まれた国ですから、魚介類の種類も豊富。新鮮なシーフードが美味しいのは当たり前です。
(牡蠣以外の美味しい魚介は後述します!)
天下のWikipedia(英語版)さんによると、
「A group of oysters is commonly called a bed or oyster reef. (中略) Large beds of edible oysters are also found in Japan and Australia.」(2019/01/10)
日本とオーストラリアで、それぞれ牡蠣が群生しているんですね。
注釈を辿っていくと、どうやら食用牡蠣の養成はNSWの主要産業らしく、100年以上の歴史を持っているんだとか。
養成自体は19世紀から本格化したようですが、先住民族・アボリジニの貝塚などを漁ると、数万年以上前の牡蠣の貝殻も見つかっているようです。食用としては古くから根付いていたみたいですね。
ヨーロッパからの移民が定住し、貝殻をセメントの石灰の原料にも使ったりするので、牡蠣漁はどんどんと盛んになり、一度絶滅の危機にも瀕していたみたいです(!)。
もしかしたら石灰がメインで、牡蠣の貝肉自体は、かつての日本における牛タンやモツのように、粗末に扱われていたのかも。もったいないですね。
(……ちなみに、日本の牡蠣食が紀元前20世紀よりも前から始まっているとするお話もあるので、比べるとちょっぴりショボく感じますが、ここはスルーしましょう。)
こりゃまずいってんで、本格的な養殖産業が開始して、今に至ります。
それに伴って、食材としての価値も見直されているようで、栄養価も高く、鉄分とビタミンが豊富で、低コレステロールという至れり尽くせりのヘルシーフードなんですね。
予断ですが、向こうではレモンの他に、タバスコをかけて食べるのも主流。なんでも、タバスコという調味料が、そもそも牡蠣を食べるために開発されたんだとか!
……さて、ここまで記事を読んで、
「じゃあ、日本で食うのと大差ないんじゃ……?」
とお思いの方もいるでしょう。
はっきりいいます。
僕には違いがわかりませんでした。
でも、美味いことは美味いです! それは間違いありません!!
写真左が筆者のこぶしです。肉団子ではないです。
これほど大ぶりの牡蠣に、レモンを「これでもかっ! これでもかっ!」と絞りまくって、口の中でブリュンブリュンいわせながら食ったら、国籍とか関係ナシに美味いに決まってるじゃん!!
特に、Sydney Rock Oyster(シドニー岩牡蠣)という品種は、良い意味でクセが強く、取れたての貝独特の磯の香りと塩辛さ、ほんのりとした苦味もあいまって、エールのお供に持って来いです!
「人を選ぶが、好きな人には突き刺さる」って感じですね。
反対に、Pacific Oyster(真牡蠣)の方は、岩牡蠣と比べてクセや尖りが少なく、身がとにかく大きくて、ものによっては口いっぱいに頬張れる! といった魅力も。
「こっちを選んでおけば安全牌!」って感じですね。
フィッシュマーケットで取り扱っているメインの牡蠣は上の2種類です。
では早速、美味しく牡蠣を食すための極意に移りましょう!
美味しく牡蠣を食べるための3つの極意!
日本だと「Rのつかない月(June, July, August)は食べるな」なんて言葉もありますが、やはり旬は寒い時期、4~10月頃に行けば、外すこともなさそうです。
あとは、土日はやはり混みやすく、平日であっても夕方頃には商品がなくなってしまう可能性があるので、そのあたりは避けて行きましょう。
さて、勢い勇んでフィッシュマーケットについてから、先ずは何をするべきなのか?
1.場所取りは全力で!
「そんなの必要……? 適当でイイでしょ!」
なんて思われるかもしれませんが、※これは本当に大事です。
想像してください。
混雑する時間帯を避け、フィッシュマーケットに足を踏み入れたあなたは、座席をぐるっと見渡して、こう思うことでしょう。
「なんだ、そんなに混んでないじゃん」
実際、たいてい席は空いています。
トリの糞にまみれた、アウトテラスならね……。
写真は比較的綺麗なテーブルを選んだ時のものなのですが、右下のボックスの蓋の辺り、ウ@コが見事にこびり付いてますね。便器のように無垢な白さのテーブルが、いっそ残酷なほどです。
フィッシュマーケットは屋内・屋外にそれぞれ食事をするためのテーブル席が用意してあります。
屋外の席は、腰掛のベンチとテーブルに、それぞれパラソルがついているのですが、
食欲旺盛なシドニーの鳥類さまにとっては「知ったこっちゃねえ!」ようで、
食べこぼしや残飯を狙って、そこらじゅうを飛んでは、テーブルやら客やらに引っ掛けるのです。
人も鳥も、距離がすんごく近い。なんというか、すごく、その、積極的ですね。
「衛生面をまったく気にせずムシャムシャいけるぜ!」という、強靭な精神の持ち主ならともかく、美味しいものも美味しくなくなってしまいます。
可能な限り、屋内の席を選びましょう。
近くに友人が住んでいるなら、持ち帰りして、お邪魔するのもアリです!
2.デカい牡蠣を食べよう!
魚市場なので、定価はありません。
大ぶりで形のイイ牡蠣は値段が高く、小さくて見た目も悪い牡蠣はお安くなっております。
「でも、小さくても美味しいんでしょ? ちょっと安めのやつで妥協しちゃお!」と思ったあなた。
十中八九、後悔します。
筆者はワーキング・ホリデーでオーストラリアに滞在中、リゾートホテルで有給インターンシップという形でアルバイトをしていました。
これは、そのときの経験則です。
よくあるキッチンハンド(厨房の雑用)ではあったのですが、仕事上、牡蠣の選別やら、職場での打ち上げパーティやらで、オーストラリアの牡蠣にはよく出会ってきました。
その経験則ですが、
「小さくて形の悪い/身が欠けている牡蠣は、酸味やエグみが強い!」
つまり、サイズを妥協して安い牡蠣を買うと、『はずれ』を引く可能性が高いんです!
コレに関しては、色々と検索してみたのですが、根拠らしい根拠も見つけられず、完全に僕の経験則になります。
ただ、せっかくの海外経験で、そう何度もフィッシュマーケットに訪れることもないでしょう。
どうせなら景気よく、デカいの食べて、口の中を牡蠣でブリュンブリュンにしましょうよ!
3.ホットフードに手を出すな!
……そう言いながら、めっちゃホットフードの写真載せちゃってるんですけども。
ホットフードというか、Ready to Eat(調理済み)とでもいうか、
こんな感じで、お店側が味をつけたり、加熱したりして、そのまま食べられるようになっているものですね。
これがまあ、見るからに美味しそうで、みんな買ってしまうんです
が、
ぶっちゃけ、当たりハズレが激しい! 笑
出来立てに見えて、実は何時間も経っていて、身がパッサパサだったり……
そもそも味付けが口に合わなかったり……
ごく稀に、出来立てで味付けも完璧!! という一品に出会うこともあるらしいのですが、筆者自身はついぞ巡り合うことがありませんでした。
調理の手間もあるだろうに、生の食材を買うのと大して変わらない値段で売っているので、「こりゃお買い得!」と思って買ってしまうんです。
信じてください。
だいたいは、生の方が美味い。
みんなで割り勘で色んな海鮮を買うとして、賑やかしに1~2品あってもいいかな? くらいですね。
もしくは、
ちゃんとお店で食べましょう。
フィッシュマーケットの敷地内にはレストランもあるので、そこで調理されたものであれば、たいていは間違いないです。
……ちょっとお高くなるのが玉に瑕。
さて、ここまで長かった。
「じゃあ結局、生で牡蠣食べて、それでフィッシュマーケットは終わりなの?」
もちろん、そんなことはありません!
フィッシュマーケットでオススメの食材は?
なんたって世界2位ですから、牡蠣だけで終わるなんてことはありません。
最後に、筆者オススメの「シドニーのMust-Eat Foods」を、紹介させていただきます!
1.マグロとサーモン(刺身)
北海道出身の筆者にとって、ちょっとばかし新鮮なだけの刺身なんて、言っちゃ悪いですが食べなれたモンでした。
しかし、断言します。
今まで食べたあらゆる鮭の中で、シドニーのサーモンが断トツ。
……正直、牡蠣よりこっち食べてほしいくらいです。
刺身で食べれば、身は引き締まってビッチビチ。噛み切れないということはなく、それだけ弾力が強いんです。
グリルで食べれば、脂が乗ってジュワジュワ。フォークでは上手く食べられないくらいに、身がとろけちゃいます。
個人的には、合わせてマグロ(刺身)もオススメしたいくらい美味だったのですが、東京都出身の友人いわく、「マグロはまあ、日本でも金払えば食べられるレベル」とのことでした。
でも、美味いよ! 一緒に食べて!
上述しましたが、売り場でお願いするとその場でさばいて、わさび醤油と割り箸をセットでくれます。至れり尽くせりかよ。
2.セミエビ(Bay Bug)
こっちは、名前自体に聞き覚えもなく、
「入り江の虫(Bay Bug)……? グロ系かな?」
と、咄嗟に思ってしまう人もいるでしょう。
ご安心ください、ぶっちゃけ エ ビ です。
このときいただいたのは、確か「Moreton Bay Bug」という種類のもので、セミエビだかウチワエビモドキだか、まあ分類法も日本とは異なるでしょうし、細かいことは気にすまい。
特徴は、頭部が平べったくて、上から見るとサンダルのようなシルエットになることですね。セミエビには、「Slipper Lobster」という呼称もあるそうで。
……このセミエビなのですが、一説によると(日本で食べようとすれば)、
ロブスターより高価で希少なんだとか!
というか、そもそも日本ではほとんど獲れないようですね。
これを食べておけば、なにより話題性がありますよね!
牡蠣もサーモンも、日本じゃ食べられないってことはないですし。
……味? 味はフツー。
身がキュッと締まったロブスター、といった感じですかね。ただ、ロブスターよりも幾分かお安くなっています。
あっ、おビール様にはめっちゃ合います!
3.バラムンディ
最後に、この記事を書くためのリサーチ中、色んなところで紹介されていたバラマンディ!
バラ(Bara)の愛称でも親しまれた食材……なのですが、筆者的には、正直めちゃめちゃオススメ! というわけではありません。
もちろん、他の食材もそうですが。
バラマンディは白身魚で、基本的には切り身を加熱していただきます。
食感は ふわっ… としていて、「鯛のようだ」という声も。
ただ、個人的にはタイとかマレーシア系のお店で、皮もパリパリ、香辛料ガッツリのソテーにしていただく方が美味しい、という気がします。
終わりに。
かなり赤裸々にというか、率直に語ってしまいましたが、あくまで個人の意見です。
美味いと思って食えば、だいたい美味い!!
こんな感じで、時たまシドニーの美味い飯の備忘録も、綴っていこうかと。
シドニーへ渡航予定のある方、今現在シドニーに在住している方の目に触れて、何かしらの参考になれば、嬉しく思います。